“イヌ”呼ばわりの意味

http://www.j-cast.com/2012/10/22150874.html

中国上海のお粥レストランが「日本人と犬はお断り」と書いた看板を出しているとネットで話題になっている。動画投稿サイト「ユーチューブ」にはこの看板を出している店のエントランスと、内部を撮影した動画が投稿されている。ただし、この撮影時期がいつなのかや、今でもこうした対応をしているのかはわからない。

華人与狗不得入内」のショックは、日本語にするとわからんよねえ。なので、「日本人と犬お断り(日人与狗不得入内?)」といわれても、「ああそうですか。アホかい」で終わるという。罵倒語としてあまり意味がない(少なくとも中国語ほど強烈ではない)ことを、向こうの人はしらんやろうな…。「お前はイヌだ!」といわれても、日本語的にはピンとこないのよね…。中国語(普通話?)での「狗」はどうしようもない罵倒語だからねえ。まあ、みんなが叩いてるものと叩いてる的なパフォーマンスなんで、勝手にやって頂戴としか思いませんけどねえ。
「狗日的」に至っては、大陸の中国人でもわかってない、一部地域の自己満足なわけで(というか、これ西北方言なんだっけ?)。なんというか、どんだけ過激にできるかチキンレースみたいなのをやってるんですよねえ。

華人与狗不得入内」は、もともと「公園にイヌ・チャリ持ち込み禁止、洋服着てないアジア人入場禁止などなど」っていうのが、中国人の民族主義運動の中でくっついてスローガンになったもんだそうですが、共同租界の外人が、中国人に対して侮蔑的な目を向けていたことは言うまでもないので、その文句そのままの看板そのものがあったかどうかはあんまり問題ではないように思いますな。いやほんと、租界の外人(日本人含む)ロクでもない。
そういえば「No Dogs and Chinese Allowed 狗与華人不得入内」の看板は、ブルース・リーの『精武門(FIST OF FURY/ドラゴン怒りの鉄拳)』に出てくるやつ(たぶん)で、実物ではないのよね。中国語話者は、あれを見て頭にくるわけで、むしろ中国語話者にしか、理解できないという。

そもそも英語だと、Dogといえば、man's best friendとかfidelityとかで、ポジティブな動物だから、No dogsをネガティブな意味で使うわけがないしなあ。

日本は「イヌのおまわりさん」とか「官憲のイヌ」とか、なんつうか「忠犬ハチ公」の国なんで、イヌ呼ばわりされてもあんまりものすごい侮辱というわけではないからなあ(うれしくはないですけどね)。戦前でも、『のらくろ』があったわけで、イヌ呼ばわりされることに屈辱はあんまりないのよね…。

というわけで、大陸の一部のアホウが、「日人与狗不得入内」を翻訳ソフトで日本語にして張り出しても、いい感じに自己満足というか。でも、これを逆に日本のバカがやってるわけで、その方がむこうにダメージが大きい分、筋悪だよなあ、と思うのでありました(どっちも無知で、やってることは同じなんですが)。

まあ、ちょいちょい検索した限り、向こうでも、この「日人…」の件は、批判的に取り上げてる場合がほとんどなので、安心といえば安心なわけですが、両国ともにいる、この「該死」な連中、ホントにどうしてくれようか。

そういえば、臺灣國語とか広東語だと、「狗」ってあんまりネガティブな使い方してない気がするんだけど、「狗」を罵倒に使うのって華中以北の方言とかだったりするの?繁体字のサイト見てると、「狗」を罵倒に使うのは大陸の連中みたいな意見があったし…。ほら、「汪汪」だってイヌじゃん。