『塩とインド』感想追記
「中華民国になった後のことを当時の政治史の展開と一緒にばっちり書いてる、田中比呂志『袁世凱』がちっとも取り上げられなくて・・」ところで『塩とインド』『日本と中国経済』の感想はどうなったのでしょうか。 / “ミスマッチ - たぬき…” https://t.co/CKtoOanQyT
— KAJITANI Kai (@kaikaji) 2018年2月27日
個人的には、政府(EIC)の介入の元での近代的な商業金融制度(「塩切手」など)が同時代の中国よりずっと進んでいる、というのが最も印象的でした。 / “読書:『塩とインド』 - たぬき日乗” https://t.co/MsF4DvhA1W
— KAJITANI Kai (@kaikaji) 2018年2月27日
まあ、こういった言及を受けて慄然としたんですけども。まさに一年塩漬け。すいません…。でも、書いといてよかった。読み返したら楽しいというか、刊行当初とはちょっと受け取り方が変わって、新しい発見もありました。ほんと勉強になったというか、いろいろ見る目が変わった気がするので、ありがたいことです。
ところで、インドの金融なんですけど、あれ「近代的」なんですかね。まあ塩切手とかはそれっぽいなとは思うんですけど、投資の集め方としてはあんまり中国と変わらんで小規模(大規模な蓄積ができない)というか、やっぱりイギリスとかオランダの集め方とはだいぶ違うよな、という気がしました。結局、集めた金もザミンダリーになって土地にしちゃうわけだし…。あと、金融商品への投資にかかわってるの、やっぱり金持ちだけですよね。この点は、貧乏人でも株買っちゃってバブル起こしまくるイギリスやオランダとの違い(決して「欧米との違い」ではない)だと思います。
あと、『塩とインド』読んででいまいちわからなかったのが経済規模です。岡本隆司『中国経済史』だったと思いますけど、身売りした未亡人が数元もらって生活立て直すみたいな話があって、かなり零細でも経営が廻る証拠みたいなことが書いてあった気がする(確認してません)が、インドだとどうだったんでしょうかね。構造的にはよくわかったんですが、塩商人の上と下の規模がよくわかんないな(でもそれは、『塩とインド』の守備範囲とは違うよな)、という感想を抱いたのを追記しておきます。
- 作者: 坂本優一郎
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 2015/02/28
- メディア: 単行本
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