読書:佐藤文俊『李自成』
- 作者: 佐藤文俊
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2015/06/26
- メディア: 単行本
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李自成は明朝を滅ぼした反乱軍の大将です。いやあ、彼に関しては「地方勢力」とか全然言えないね。とりあえず税金減らして、金持ちから奪うっつうノープランっぷりがすがすがしいまでに「反乱軍の大将」ですわ。
ただよんでるうちに、これは面白いけど、基本的な話知らんとついてくの無理だろ〜、としみじみ思った本書。なんだかハードル高いよ。
だって、表紙をめくるなり句読点改行皆無の漢字ビ〜〜ッチリですよ(ぜひホンモノをご覧ください)。ちょっと衝撃。しかも原本はちっちゃ〜い、というね。おもわず「〜」を多用してしまいます。
あと、最初の最初から
で始まって、クラクラしました。飛ばしはりますねえ…。
一番キタのは、李自成が西安で皇帝に即位したときに、始祖を西夏の太祖李継遷にしてたってとこですね。100頁あたりで述べられてますが、李自成集団は、わりとオルドスあたりのモンゴル系、チベット系、回回(100頁には「回賊」となっててビビりましたが。しかしよく考えると明末の「回」ってイマイチよくわからんな。今の回族でいいのかな…)とかが参加していて、漢族中心が自明でない、とするあたりは、結構うなりました。「華夷一家」はやっぱり時代の要請だったんだなあ(しみじみ
あと、なんせシリーズがシリーズなので、注とかルビにばっかり目が行くわけですが。意地悪に読んじゃったよ…。こういうのを「心が汚れてる」っていうんだな。
注はやたら細かくて楽しいです。流賊の綽名に注ついて、「この綽名を使ってるやつが二人」とか。楽しい。
ただ真顔になったのは、「皇太極」に「こうたいきょく」ってルビ振ってあったとこすね(38ページ)。ヌルハチやドルゴンはカタカナで、豪格はホーゲってルビ振ってあるのに…。福臨にフーリンとルビ。これ、なんかイワレがあるんかなあ…。どういう形でルビ振ってんのかなあ…。気になるなあ…。
- 作者: 佐藤文俊
- 出版社/メーカー: 汲古書院
- 発売日: 2010/12
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- 作者: 佐藤文俊
- 出版社/メーカー: 研文出版
- 発売日: 1985/05
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