読書メモ(中途)

現在読んでいる本。先週木曜で中断しっぱなしだなー。
読んだところまでメモを残します。

比較経済発展論―歴史的アプローチ (一橋大学経済研究叢書)

比較経済発展論―歴史的アプローチ (一橋大学経済研究叢書)

第一章:生活水準の比較史
 最近はやりの比較経済史(ポメランツとか)
 →マルサスの昔から。その回顧。
 →問題は「大分岐」の実際! 「近世」に鍵

第二章:分業と市場と成長
 マルサス的な人口増加=貧困=人口調整ではなく、人口の増加は分業をもたらし、さらに経済発展をもたらすという見取り図。
  

第三章:生活水準の異文化間比較
 一人当たりGDP、実質賃金。
 結論はロンドン(+アムステルダム)だけは特別。それ以外はそれほど目立つ差異があるわけではない。

※ここまでの感想
 人口増加→貧困というのは、食糧生産がすべて、という前提の場合。食糧供給が外部条件になれば、スミス的分業論になるというのはわかるが、条件が変容しているのがミソでは?
 あと、実質賃金の多寡を洋の東西でうんぬんしてもあまり意味がないような気がする。絶対量で比較するのは無理だわ。ただし、それぞれの変動を見るのには極めて有益な気がします。ロンドンすごい、というのは賛成。
 
ところで、途中までしか読んでいないのにアレなんですが、この本は梶谷先生のブログで見たんですけど、外部に巨大な需要があれば、中間材製造に関わらず、利益率(あるいは生産性さえ)を限界ギリギリまで削って、競争を繰り広げていくというのは、結構当たり前の結論のような気がします。ま、大事なのは莫大な外部需要があるという前提で、国内需要をアテにした開発主義の時代と時代が違うというのは間違いないのでしょうなあ。
しかし、日本の高度成長は莫大な対外黒字の成長と同歩だったんだと思います。その意味で、今の中国の産業はやっぱり日本が昔来た道、ということなのかもしれないですね。

全く話は変わりますが、今や日本は技術大国・イノベーションしまくりなイメージですが、これっていつ頃からなんですかねえ。そんなに昔の話ではない気がしますけど。戦後長らく、日本製品はやっぱり安い(その割にしっかり)のイメージだったはずです。これは日本経済の自画像の在り方にもかかわるんだと思いますが。

続きは木曜まで読めないかなー。