しかしニーズが…
とりわけ英語については、多くの人が読む事が出来るけど、それ以外の言語で書かれた文献については、事実上殆どの人がアクセス不可能。にも拘らず、地域研究の分野においても、翻訳を行う人々は減少している。このような状況は、地域研究の内部においても、モラルハザードを齎す可能性を大きくする。
— Kan Kimura (on DL) (@kankimura) 2014, 7月 30
なるほど、たしかにチェックできないと質が落ちる&黙ってパクるかも、というのはその通りですね…。
しかし、中国の歴史の話では、まあその辺のニーズ自体がいまひとつというか、最近出た中国史関連の翻訳なんて、A Bitter Revolution、Empire made me、God's Chinese Sonくらいでしょ。(どうでもいいんですがググってたら一つ目の原著者がイケメンでびっくりしました。つか普通に検索して、なぜ画像検索結果が出るんだ。ふたつ目のは出なかったぞ。スペンスは略。)
一昔前は、いろいろでてたんですけどねえ。魂泥棒とか。
それにしても、この手の話、どう考えても売れんな。中身がどんなに面白くても、売れる気がしない(そりゃなんで?ってのは面白い問題だと思うのですが)。まったく商業ベースに乗るとは思えん。だいたい日本人の専門書だって助成金でてなきゃ出ないわけでしょ?あとがきに助成金の話が書いてないのなんてみたことないよ。売れるのっつったら適当な比較史だけでしょ。やっぱりあれだ、誰からが道光帝の伝記を書いて、それを皇太子殿下がほめてベストセラーに…なったら亡国であるな…。
そういやThe Great Divergenceは日本語訳出ないのかしら。今更、かしら。
8月5日追記:↓なんだそうです。とりん(・と・)さん、ありがとうございました。
http://t.co/LdWSjbMTwA ポメランツのあの本は、計画はいちおう動いてるけど、出版の見通しは立ってないとか言うのが、数年前の状況だったはず。
— とりん(・と・)残念な筑前煮 (@trinh_JP) 2014, 8月 3
つうことは、出ないなこりゃ、って感じなんですかね。まあ、今更なあ、というのが正直なところですが。
それにしても、まったく翻訳が出る気がしない。なんでだろうと考えてみると、中国史関連は、売れる売れない以前に、欧米言語圏も中国語圏もまとめて外人さんを馬鹿にしてるからじゃないかというのを思いつきました(いや、そんなエントリ書いたこともあるんですけどね)。
思想系とか経済系とか社会系とかは割と出てる気がするんですけどね。歴史は、一昔前よりももっとインボリューションしてる気がしますな。アメリカ人とかが頭上を越えて直接中国に言っちゃうからスネてるんですかね。べつに英語圏に打って出ろ、とか思いませんけど、英語圏のを勉強するのはいいことだと思うんだけどなあ。誰か訳してくれれば楽しく読むんだけどなあ。だって、英語の本、旅行でも行かなきゃ、買うことなんてないですもん。
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へえ、ティモシー・ブルックかあ・・・。ぽちっとな。この本のアマゾンコメントみてると、なるほど歴史ニーズねえな、ということを痛感できますな。