読書:安田峰俊『中国・電脳大国の嘘』
- 作者: 安田 峰俊
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/12/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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面白いというか、あまりにも「普通」すぎる。これはほめ言葉です。個人的には絶賛、という意味です。だって、「そりゃそうだろう、普通」、ということが書いてあるわけですからね。「?」とか「なんじゃこりゃ」みたいのがありませんでした。中国でインターネットが〜という話は、今後はまずここから、という感じでしょうか。
とはいえ、中国が云々以前に「そうだよね、JK」という話が続きます。
なので通時的な中国の本質〜みたいな話に落とし込まんでもいい気がしました。で、読みながら頭によぎったのは、「中国」が、という話であれば、ジャッキー・チェンの発言でもでてくる、台湾と香港(マカオはいいや)を著者はどう考えているのか、というところです。あと、海外の華人社会。彼らだってやっぱり19世紀の大陸の社会の延長上にあるわけだからねえ。つまり、「中国」ってなんだよ?という話なんですが。『中華人民共和国 電脳大国の嘘』なら、こういうことは思わないんですけどね。
ところで、最後のほうで著者が「今後は中国を“ただの外国”と考える」と宣言していることに軽く衝撃を受けました。そうか、彼でも、そういう宣言をしなければならないほど、日本においては、中国は“ただの外国”ではないのか…。うーむ…。