読書:金文京『漢文と東アジア――訓読の文化圏』

漢文と東アジア――訓読の文化圏 (岩波新書)

漢文と東アジア――訓読の文化圏 (岩波新書)

読み下しにもいろいろ流派があるんだよねえ。
面白いのは、日本・朝鮮・安南がみんなそろって、漢文の読み順をつけるんだけど、それはみんな「初学者」用だっていう話ですな。著者がそう直接指摘しててるんではなくて、そういう風に弁解する事例があるってだけなんですが。実は訓点があったほうが読みやすかったんだろうけど、カッコワルイと思われてたんでしょうな。

やっぱり、そのままサラサラっと読める方が格好いいよね。つか、漢文は、「古代中文」なんだからやっぱり中国語で読んだ方がわかりやすい気がする。現代中国語しか勉強したことがない場合には無理なんだろうけど。あと、宋代くらいのものなら、普通話の発音じゃなくて、広州話の発音で読んだ方が昔のものに近いのかなあ。清代のは北京語で読むべきだよね。