日本学術振興会『人文学・社会科学の国際化について』2011.10

日本学術振興会『人文学・社会科学の国際化について』2011.10ってのがツイッターで流れてました。
全体的な基調は、“事務煩瑣につき時間が足らん”です。あれだな、大学の先生も複数秘書を雇うお金が必要ですな。(こういう時には学生は使いづらそう。でも院生が雇ってもらえると学内行政のインターンみたいでいい感じなのですが。…あれこれなんて幕府? …でも他人に頼みづらい/頼めないもんもあるんでしょうなあ…)

「日本の学術雑誌に掲載されるような細かい実証研究よりも、むしろ良質の啓蒙的著作が英語圏の広範な研究者に歓迎される傾向があるということも、確かだと思われる」『人文学・社会科学の国際化について』p.12
とあるのは、欧米の歴史の専門書が、(日本でいえば汲古とか吉川みたいなところから出てる本ではなくて)そもそもちょっと勉強する気のある人(朝日とかの書評に取り上げられる本みたいな感じ?)を対象にしてるからなんではないでしょうか。

英語で書いて、どこの人でも読めるようにするのは大事ですけど、別に英語ネイティブの興味におもねる必要はないですよね。
英語があるから、読もうと思えばスウェーデン人やらインド人やらの濃ぃ〜地元の議論も読めるわけで。アングロサクソンの論理にくっついてったら薄くなっちゃうよ。

あと興味深いのは、政治学で、英語で発表するインセンティブがないって話と、経済学の日本人は実証に弱いという話。
これ、検討対象が日本政治とか日本経済だからなのかな?日経史はこっちに入ってるんですよね?