読書 『系統樹思考の世界』・『分類思考の世界』
- 作者: 三中信宏
- 出版社/メーカー: 講談社
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まとめて二冊読了。著者、えらい博学。いくつの言語を読んでるんだろう…。NHK出版のも探してこよう。
とりあえず、最低限の思考の方法として抑えとかないといけない話がたくさんあるわ。
まずは『分類思考の世界』から。
“分類”はある人間の恣意だから、そこに本質を見出したり、“分類”それ自体が實在していると考えるのはヘン。ただし、“分類”することで、かなり人間の行動は効率化するわけで、その意味では、認識した事物や現象を“分類”し、そこに“本質”を付与するのは、人間の本能と指摘するところは、納得。
“分類”が、現実をのものではなく、整理のための道具であるというのは、あったりまえだが、“本質主義”的に分類する人を、単にバカするのではなくて、“本能”といわれれば確かにその通り。
“分類”したり、“説明”したりするのは結構だけど、それは、ある断面図なのであって、断面するところを変えれば、その中身は変動する。
ということが理解できてればいいんだろうけど。
いやあ、ヒトに説明するの難しいな…。
つづいて『系統樹思考の世界』。
ある歴史上の事象を再現するためには、その事象が発生したのと同じだけの空間と時間が必要だということを思い出しました。つまり、すべての要素を勘案するのは無理なんでしょうな。
そうすると、ある推論をするにしても、その推論に利用する要素はどこからとってきたのかというと、一番確からしい、どれにでも納得がゆく説明を採用してゆくしかないわけですよね。
ま、“本質主義者”は推論に利用するある要素を採用するのは当たり前だと思うんでしょうけど。
というわけなんで、アブダクションに関しては、常にそれを気にしていかないといけないんでしょうなあ。
あと、系統とか系譜とか書くときに一番気になるのが、ネットワーク化をどういうふうに処理するかなんですよね。ネットワークを3Dのワームホールっぽく描くことはできるんでしょうか。
いやいや、頭を使いますな。楽しい読書でした。おそらくあと二回は読まないと理解できないんだろうな…。