読書:小谷野敦『日本人のための世界史入門』
- 作者: 小谷野敦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/02/01
- メディア: 単行本
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趣味炸裂!
以上です、ありがとうございました。
いやあ、割と小谷野節、好きなんですよ。タバコはすいませんけどね。
著者はヨーロッパの歴史がお好き、ということがよくわかりました。趣味なんだからいいじゃないですか、クロムウェルより趙光祖について詳しいとか、むしろおかしい。阮恵とかならいいですか。いややっぱヤだよ、そんな高校生。引くがな。つか、いまクロムウェルとかロベスピエール、そんなにメジャーでもないし。ベルばらも昭和の遺産ですからね…。その代わりに甘寧が人気だったりとかね。
とにかくよその国でも自分の国でも、歴史ってのはおおむね趣味の範疇でありまして、専門家でもない限り、好きなようにいじってもいいわけですよ。専門家だって割と趣味じゃねぇか的な話をしてる人もいるわけで。「朱元璋は悪い奴や!」といいたいだけの経済史の論文(英語)とかね。
その筋ではよく、“ヨーロッパ中心史観イカン”みたいなのがありますけどね、まあ趣味ならいいんじゃないですか、「ぼくのかんがえたさいきょうのよぅろっぱ」中心でも。専門家がそんなもん信じてないんだから。庶民がどんな趣味懐いててもいいじゃないですかねえ。啓蒙してやるっ、みたいなのはちょっとどうか、と思います(コロリと啓蒙されるヒトにはお疲れ様と声をかけてあげたい)。放射脳さわぎで専門家がいかに無力化は悟ったんじゃないですか。つか、放射脳の歴史学の先生なんて割といるんじゃないの。そういう人を抱えながら、一方で啓蒙に走るのはちょっとした戯画のような気もするけど。まあ脛に傷のない分野もないでしょうから、そこは目をつぶるべきなんですかね。
それにしてもそもそも、アヘン戦争のところの参考図書が『実録アヘン戦争』って、絶対釣りだろ。アヘン戦争の展開についての日本語の専門書なら…。あれ?あれあれ?矢野仁一?
あと著者の本読んでて毎度思いますが、学閥主義っぽいところとか、比較文学って怖いところなのかなあ、と思います。文学も大変ねえ…。
- 作者: 陳舜臣
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1985/03/10
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支那外交史とイギリス〈その1〉アヘン戦争と香港 (中公文庫)
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